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土居社長 箱﨑副社長
取締役副社長 兼 COO
箱﨑 由治
代表取締役社長 兼 CEO
土居 由希子

Talk Member

土居 由希子
代表取締役社長 兼 CEO
土居 由希子

福山市生まれの福山市育ち。高校卒業後は京都で学生時代を過ごし、就職と同時に上京。広告代理店や、玩具メーカー、食品メーカーに勤務し、マーケティングやキャラクタービジネスに従事。フリーランスを経て、父である3代目社長・土居辰雄の逝去に伴い、福山市に帰って2023年に代表取締役に就任。

箱﨑 由治
取締役副社長 兼 COO
箱﨑 由治

20歳の頃に配送スタッフとしてアルバイト入社。正社員登用後はサービスステーション(SS)に配属され、28歳でマネージャーに就任。長く店舗運営でキャリアを積んだ後、経営側にまわり、土居石油の副社長、子会社である土居石油瓦斯の社長へ上り詰めた叩き上げ社員。豊富なアイデアと他者を巻き込む推進力で、長年土居石油を引っ張ってきた立役者の一人。

時代の変化に合わせて自分の考えを変えていける人

どんな方と一緒に仕事がしたいですか?

土居社長:
成長すること自体を楽しめる人ですね。土居石油のカラーとはどんなものかを改めて考えたとき、社員のアイデアや意見が通らないようなガチガチな会社ではありませんが、目標達成を目指すためにある種の厳しさもある会社です。そのため、仕事に対して楽しさと真剣さのメリハリを持つことが大切です。またお客様と触れ合う仕事が中心ですので、人と接することが好きで、誰かに何かをしてあげたいという気持ちがある方がいいなと思います。
箱﨑副社長:
確かに、自分を変えていける人がいいですね。石油業界は世間的には縮小傾向にあると思われていますが、やり方次第で何とでも変えていけると思っています。時代に合わせて自分の考えを柔軟に変えられる人、そんな若い人たちの新しい感覚やアイデアをもとに、これからの土居石油の未来を考えていけたらいいですね。
取材記者:
箱﨑さん自身も若い頃からさまざまなアイデアを形にしてきたと聞きました。いち社員のアイデアを取り入れて実現する土壌が会社にあるんですね。
土居社長:
そういう会社でありたいと思っていますし、「こんなことがやりたい」「あれが面白いと思う」といった意見が、今まで以上に出ても嬉しいくらいです。
箱﨑副社長:
正解はないと思うんですよ。でも、諦めたらそこで終わりです。われわれの常識は、今の若い人の感覚では非常識かもしれない。だからこそ、議論しながら最善の方向性に進めたらいいですね。いろんな人の考えが1つの花になるよう、思いついたことを社員全員がチームとなって実現していける会社になるよう、今変えているところです。
土居社長 箱﨑副社長

経営者が思う「仕事において大切にしている考え」

仕事をする上で大切にしていることは?

箱﨑副社長:
やはり仲間とのつながりじゃないですか? 自分だけが楽しく仕事をするのではなく、職場のスタッフみんなが楽しくなければ、ひいては自分も楽しくないですよね。
先ほど、思いついたことをチームで実現できる会社にしたいという話をしましたが、何かを始めようと思うときは多種多様な意見や情報が必要だと思うんです。こんな風にしたらお客さまに喜んでもらえるんじゃないかという提案に、否定から入るのではなく、「それ面白いですね」「もっとこうしたら面白いんじゃないか」と一緒に考えてくれる仲間がいることは、推進力になります。
土居社長:
自分自身が常に変わり続けていくこと、そして広い視野を持つことです。日々生活していく中で起こるすべてのことに関心を持ち、積極的に情報を取り入れようとしていると、何かの瞬間にふっと仕事につながることがあるんです。
土居社長

従業員が誇れる会社にすること

経営体制が変わったことによる変化は?

箱﨑副社長:
他業種で働いてきた人の視点が加わることで、ブラッシュアップの精度が高まっていると感じますね。
土居社長:
私と副社長である箱﨑、本部長の3人が経営陣としてチームを組んでいますが、全くバックグラウンドが違う3人なんですよ。私では思い至らない部分を他の2人が指摘してくれたり、逆もあったり、やり取りを重ねながら新しい形を作っている途中です。
私自身全く違った業種から入った人間なので、できるだけ社員の方々とコミュニケーションを取るべく、頻繁に現場に出て話をするようにしています。箱﨑はもちろん、本部長も同じように社員との距離が近く、それが現在の体制になって大きく変わった部分かもしれません。
箱﨑副社長:
「常に末端の意見を聞け」ですね。うちではパートナー社員と呼びますが、アルバイトスタッフの意見も聞きながら、意見を取り入れることを大切にしています。
従業員が誇れる会社にしたいというのが3人の共通テーマなので、そのために福利厚生や業務内容、企業としてのブランディングを見つめ直していきたいと思っているんですよ。
箱﨑副社長

お互いに尊敬していること

お互いに尊敬しているところは?

箱﨑副社長:
東京の大企業で30年仕事をしてきた経験をもとに、私では想像できないような意見が飛び出すところですね。また、ロボットによる業務自動化システムや情報共有に便利なウェブ会議ツールなど、展示会で見つけて面白いと思っていたら、社長はすでに知っていました。やっぱり情報収集能力が違うなと思いました。
土居社長:
私から見たら、従業員の細かい心の動きに気づき、きめ細やかな配慮をするところはもうピカイチ!同じように接していても私では気づかなかったので、やはり経験の差であり、彼ならではだと思います。とにかく新しいことに取り組み前に進んでいく力、思いついたことをシミュレーションを重ねながら現実的なプランにしていくところも、尊敬していることのひとつです。
箱﨑副社長:
それも以前よりやりやすくなりましたよ。いち社員だった時代には、当たり前ですが資料を作ってプレゼンしての繰り返し。レンタカー事業へ参入プランを立てた時には、上層部に認めてもらうまで1年かかりました。
テーマは「楽をしよう」なんですよ。寝ている間に仕事が入ったらいいなと思い、いち早くウェブ予約をはじめました。レンタカーは特にウェブ予約と相性がいいですよね。洗車機を導入した時も、やはり従業員が楽になるようにと考えたのが原点です。
土居社長:
少ない労力で大きな利益を得るために、常に策を考えてきたということですよね。
会社の業績が不安定な時期に土居石油の基盤を作ってきたのは、その時代の経営陣をはじめ、箱﨑や現在のマネージャー陣です。その力を今も非常に頼りにしており、私自身は新しい視点や刺激を与える役割でありたいと思っています。そして、ずっと会社を引っ張ってきた人材だからこそ、今後は次の世代を育てる役目を担ってほしいです。彼が引っ張ってきた部下は、どうしても箱﨑の背中を追ってしまう。若い人材には彼を超えることを目指してほしいんです。
箱﨑副社長:
そうですね。私も、これまでの10年とこれからの10年は違うと感じます。これまでの10年は会社を前進させること、そして自分を成長させる10年でした。しかし、社長が言うように、今後は部下を育てる10年にしていかないといけないですね。

時代の変化に合わせて、
働きやすい環境へと改革

福利厚生のためにしていることは?

箱﨑副社長:
社員の中には出産や育児、病気など、さまざまな事情から会社を辞めていく姿を間近で見てきました。寂しい気持ちはあれど、仕方がないことだと思っていたんです。しかし、会社をつくる立場になったことで、従業員の人生を背負っているなら、そこは投げ出すべきではないと思ったんですね。
そのために、まずは最低限だった健康診断コースに、マンモグラフィーや腫瘍マーカー、眼圧検査などのオプションを可能な限り加えました。さらに、細かい検査で早期発見につながった場合に「休職制度」を設け、生命保険の加入も会社で行うように。これはかなり珍しいと思います。続けて、仕事中だけでなくプライベートでのけがも保証する「通称:ハイパー労災」や、病気にならない健康的な体を育てるために、スポーツジムの法人契約も始めました。
土居社長:
いろんな場面に立ち会うことで積み重ねた気持ちもあるでしょうし、時代の感覚が変わってきたのも大きいかもしれません。彼も従業員のために変えたいという気持ちがあったし、私自身も外から来て「今の世の中はこう変化しているよ」と後押しできます。
箱﨑副社長:
そうですね。あとは働きすぎるのも良くないということで、サービスステーションの営業時間短縮も進めました。もちろん短縮による売上低下の補填策を考えた上でのことです。さらに、最低限だった有給だけでなく公休自体も増やしたり、2025年からは年末年始の休業も決断しました。業界としては年末年始に店を開くのは当然でしたが、これまでの常識は今の時代には非常識かもしれないということを念頭に置くように考えました。
プライベートをしっかり楽しんで、仕事も仕事で楽しむ!生活のためだけに働くなんて悲しいじゃないですか?

社長就任の時に感じた、
土居石油の本当の強み

取材記者:
土居石油は創業70年を超えるんですよね。
土居社長:
祖父である土居登が、これからは石油とモータリゼーションの時代だと考え、昭和22年に当時勤務していた広川から独立して創業しました。個人で車を所有する人が少なかった時代に、法人のお客様を中心にガソリン、灯油、軽油を販売。福山市の発展とともに会社も成長してきました。車を持つ人が増えるのに合わせてサービスステーションの数も増えていきました。当時としては珍しく輸送所としてタンクを持っており、お客さまの要望をスピーディーに叶えることができたそうです。

昨年、5代目社長に就任したときはどのようなお気持ちでしたか?

土居社長:
これまで会社には全く関わってこなかった中、就任後に多くの従業員や取引先の方と話すことで感じたのは、土居石油の全ての従業員がとても真摯に仕事に向き合っていることです。非常に前向きで、会社のために自分がどう動いたら役立つかを常に考えてくれているんです。石油製品という差別化しにくい商品を扱う業界で、他の会社との違いを挙げるなら、それは従業員の質と仕事に対する熱意だと、その時強く感じました。
お客さまにも「楽しそうに生き生きと働く姿」を見て欲しいし、実際にこの会社で働いて良かったと思ってもらえるような会社にしていきたいですね。
土居社長

業界が大きく変わろうとしているからこそ、
新しい可能性を追求していきたい

目指すべき会社の未来像は?

土居社長:
業界が大きく変わろうとしている時だからこそ、いろんな可能性があると思っています。業界にとらわれず、オンリーワンの企業を目指していきたいですね。
箱﨑副社長:
さらに、今後土居石油をどうしていきたいかを考えたら、やはり地域での存在感を高めていきたい。そのためには、地域活性化のためのプロジェクトには積極的に賛同していきたいと考えています。この地域で商売させていただく中で、住む人は基本的に私たちのお客さまです。だからこそ地域が元気じゃないと。われわれの持つノウハウやネットワークをもっと地域のために使えたらと思います。
土居社長:
経営としては従業員の「安全・安心・快適」を。従業員はお客さまの「安全・安心・快適」を、ふくやまの企業としては地元企業を含めた地域全体の「安全・安心・快適」を支えていくことが重要です。従業員があっての会社であり、地域のお客さまが元気であってこそ会社の発展がありますから。
土居石油の各サービスステーションは「ローズガーデン」という名前が付いているんですが、これは福山市の花であるバラをロゴマークに使っています。3代目の時代に作ったもので、福山市の企業であることを誇りに思う気持ちを表現しているんですよ。この気持ちは今後も大切にしたいですし、さらに深く地域に根付いていきたいと思っています。
土居社長